私がビジネススクールを卒業した直後に、投資銀行に勤めた友人の名刺を見ると、なんとVP(Vice President)!しかし彼は、バンキングはVPだらけ、という話をしていて、納得。実際、2012年で、アメリカのゴールドマンサックスには34,000人の従業員がいて、そのうち、なんと12,000がVP、2,400人がMD(Managing Director)だったとか。

この例が示すようにアメリカの会社では、大げさなタイトルの数が増えてきています。これは、タイトルインフレーションと呼ばれています。バンキングでは特にタイトルインフレーションが他の業種よりもさらに進んでいますが、アメリカのプロフェッショナルのソーシャルネットワークであるLinkedinでも、2005年から2009年の間に、VPは426%、Presidentとつくタイトルは 312%、 Chief とつくタイトルは275%増えたというデータからも、アメリカの会社ではタイトルインフレーションが起こっていることは事実と言えます。

では、新しいタイトルとしては、どんなタイトルがあるののでしょうか?Chief…とつくものとしては、以下のようなものがあります。

Chief Listeners
Chief Privacy Officers
Chief Administrative Officer
Chief Sustainability Officer
Chief Scientific and Regulatory Officer
Chief Quality and Product Integrity Officer
Chief People Officer
Chief Information Officer
Chief Strategy Officer
Chief Digital Officer

ほとんど冗談のようなタイトルもありますね(笑)

タイトルインフレーションが起こっている背景には色々あるようですが、Wharton Business SchoolのStevenson教授によると、いつクビになるかわからない仕事に対する不安定感や、会社に勤めることによる福祉などのベネフィットが少なくなってきているため、会社側もより責任の高い仕事に聞こえるようなタイトルを作りだしている、ということです。

このタイトルインフレーションを受けて、外資系に転職するときや、英語圏で仕事を探す時に注意すべき点を挙げたいと思います。

まずは、現在の仕事のタイトルが大したことなくても(たとえば平社員)、仕事自体の責任は大きいこともありえますから、その辺は十分にアピールすることが必要です。

次に、日本での役職をどう英語にするか、ということ。最近では名刺にも日本人感覚で英語のタイトルが表記されている場合もありますが、英語圏の人が見ると「なんだこれは?」と思うようなタイトルもあります。そこで、実際にレジュメにのせるときには、日本語のタイトルの直訳ではなく、仕事の責任範囲や仕事内容によってタイトルの訳し方を考えるべきです。たとえば主任という役職でも、仕事内容や責任によって、Assistant Managaerや Chief scientistや Managing editor などとなりえます。そうすれば、レジュメを読む方もわかりやすくなります。