「とことん話す」これが、私の知り合いの日本人でアメリカ人の部下がいる人が、評価面談をするときにする心構え、だそうです。理由を聞いてみると、アメリカ人は「よくできたね」というと、「それならどうして4をくれないのですか」のように聞いてくる場合が多いから、といっていました。だから相手が納得するまで十分に話し合う時間を作るのだそうです。逆に日本人の部下の場合には、評価が3であれば、あまりそれ以上質問してくる場合もないということでした。

これは、以下のような文化的な違いに基づくものです。

1)アメリカの個人主義、日本の全体主義
日本人や多くのアジアの国は、組織やグループの中の一員としての個人を重要視します。面白い実験例があります。日本人とアメリカ人に数人の人が写っている写真をみせ、真ん中の人の表情からどんなムード(うれしい、悲しい、楽しいなど)かを聞きます。すると、アメリカ人はその人だけ見てムードを決める傾向にあり、日本人は周りの人の表情もみたうえでムードを決める傾向にあるそうです。

2)日本人は中間値を好む。
日本は中間回答を好み,極端回答を避ける傾向にあることが知られています。たとえば、サービスに対する顧客満足調査でも、日本人はサービスが良かった、と思っても、3をつける傾向にあります(よほど良くなければ5はつけない)。アメリカ人は、良かったのなら4か5をつける傾向にあります。逆に、まあまあ、と思っても、日本人は(悪くなければ)3をつける傾向にあり、アメリカ人は1や2をつける傾向にあります。

3)日本人は同意傾向にある。
日本人は、相反する質問をしても「イェス」と同意する傾向があるということです。これは、リサーチ結果からも明らかになっており、外国人から見ると日本人のイエスはイエスじゃない!と言われるのもまんざら嘘ではないのかもしれません。ちなみに、サーベイなどを受けると、なんでこんな同じような質問を何度もしてくるのだろう、と感じたことはありませんか?それは、このような回答の同意傾向をみて、バイアスを調整するためです。

これらの文化的な違いを理解して、アメリカ人の部下に評価やフィードバックしたりするときに出来ることをあげてみます。

1)とことん話し合う

日本人だと「全体の調整がはいって3だった」くらいの説明で終わらせられることも、アメリカ人だともっとつっこんで説明が必要になる場合がほとんどです。言い訳にならないように注意が必要です。自分がきちんと評価したところと、他部門が評価できなかったところ、などを明らかにして、そのギャップを来年の目標にするなどの対応が出来ます。
アメリカは「失敗から学ぶ」ということが重宝されるので、この機会をうまく生かして来年は期待している、といいましょう。

2)目標をはっきりさせておく。

目標をはっきりさせておく=上司としての期待値もはっきりさせておく、ということです。
また、目標も3段階ぐらいに分けで、普通レベルの目標(これができれば「3」評価)少し難しい目標、難しい目標、などとしておくと評価がしやすくなります。

3)冷静に

部下が泣いて困った、という例も聞いたことがあります。評価面談で特に自分の期待よりも悪い評価をもらつたときに、感情が出てくる人も多々います。とにかく冷静に対処して、必要であれば、場所を変える。改めて時間をとる、などが必要です。低い評価をあげないといけないときは、自分も何をいうか、どう対処するか、事前に心構えを持って向かいましょう。

4)日頃からのコミュニケーション

目標設定、中間面談、評価面談、それだけで部下を理解できません。日頃から部下と話す機会を設け、部下の強みや弱み、仕事の問題点などを把握しておけば、評価面談はその日々の延長線上になります。

5)場所や座る場所の工夫

正面に座らず、横に座って面談をする(威圧感を与えない)。パソコンや携帯をいじれない環境で面談をする。ほかの人に聞こえない場所で面談をする、など。

最後に、部下の目標の中に、うまく会社の目標とその人自身の能力を開発させる目標を絡めていれることができれば、部下のモチベーションも上がりますよ。