“定時で働く代わりに好きな時間に働いてもいいよ、でもその代わり給料はX%カットね” そういわれたらどうしますか?

WSJ の記事Why we don’t value fletime enough? にまとめれれているように、3000人の職を探しているアメリカ人に、固定時間で働くか、フレキシブルな時間で働ける代わりにその分給料をカットされるか、どちらか選択肢を与えたところ、60%の人が固定時間制を選んだということです。25%の人が給料が10%減でもフレキシブルな時間を選択し、残りの25%の人が給料が6%減ならフレキシブルな時間を選ぶとしたそうです。

ここからわかるように半数以上のの人が お金>時間の自由 を選択しています。

しかし、時間の自由がある人の方がお金を多く稼いでいる人よりも、「幸福である」と感じている人が多いこと、また、給料の多さとWell-Being(精神的、身体的な健康、幸福感)は比例して高くなるが、ある一定の給料までくると比例しなくなることがわかっている、ということも同じ記事で述べられています。ここから、人はある程度の収入があれば、お金が幸せを決定するわけではなことがわかります。それなのに、時間の自由よりもお金を選ぶ人が多いのは、皮肉なものですね。

フレックスタイムの導入状況

厚生労働省の平成28年就労条件総合調査によると、日本では約4.6%の会社がフレックスタイム制度を導入しています。大企業がリードをとっており、22%が導入。10年前には6.3%の会社が導入しており、減少傾向にあります。

これは、フレックスタイム制度が法的に許可されたときに一気に色々な会社が導入し、運用に問題があったことが問題という意見もあります。実際に、LeeとSE DeVoeの調査によると、フレックスタイム制度は従業員中心の戦略で運用された場合には利益につながり、コストカット戦略のもとで運用された場合には利益につながらないということが示されており、会社の戦略などとともに運用方法、評価方法なども考えていく必要があるということがわかります。

また、社会全体として、契約社員や派遣社員といった正社員以外の労働力に依存するようになってきているというのも大きな要因のようです。

ちなみに、アメリカではどうでしょうか? 2016 NATIONAL STUDY OF EMPLOYERSによると、一部の従業員にフレックスタイム制度を許可している会社は81%、ほとんどの従業員に許可している会社は32%でした。アメリカではフレックスタイムは中小企業でより導入され、99人以下の会社では36%、それより大きい会社では17%という結果です。

アメリカでは日本よりも多くの会社でフレックス制が導入されていはいますが、アメリカでも運用がうまくいかないと従業員がだらだらと働くよううになって、廃止を決めている会社もあります。2013年にヤフーでも「速さと質」がヤフーの立て直しに重要ということを理由に、家から働くことを禁止しています。

フレックタイム制の応用

フレックスタイムというと日本の労働基準法では、就業者が始業および終業の時刻を定めることができることをいいますが、フレキシブルに働く制度という意味で考えると色々応用がききます。

1)週40時間働けば配分は自由:コアタイムにも縛られることなく働けます。

2)季節ごとに仕事の時間を変える(私がニューヨークの会社でインターンをしていた会社では、夏の間は金曜は午前中だけ働けばよいとなっていました。)

3)一定の時間だけ家から働く:テレコミュートのブログでもふれましたが、一定の時間や日だけ家から働くことを許可している会社も増えています。

4)一時期だけパートタイムや時短で働く。:子育て中の人や、介護をしている人、病気回復の人などにはパートタイムや時短で働くというオプションがあります。もっと幅広い層にも使用が認められてもいいのでは、と思います。

5)ワークシェアリング:ワークシェアリングは、高齢化に伴いもっと導入されてもいいシステムではないかと思います。

最後に、フレックスタイムは、使う側が高いモラルをもって制度を利用することが大切ですが、会社で働く同僚も制度を利用している人に対して偏見をもたないことも大切だと思います。

そのためには、お互いに私生活を尊重して、助け合う文化を作りだしていくことが必要です。最近日本で推奨されているプイレミアムフライデーは、「文化のシフト」を作り出せるかもしれないという意味ではいい制度ではないでしょうか。早く帰って家族と過ごしたり、趣味の時間として当てたり、といったことを当然と考えたりするような人々の考え方や習慣の変化がおこらないと、フレックスタイム制も全体として推奨する文化につながらないからです。

会社や部署の中でも同じで、少しずつ色々なスタイルの働き方を推奨し、尊重する文化を作りあげていけたらベストではないでしょうか?