デリゲーションとは権限移譲ということですが、一般的には、上司から部下へ、という下向き矢印のイメージです。しかし、下だけでなく上にも左右にもデリゲートできるのです。以下にその例や、方法をみてみます。

1)下(部下)へのデリゲート

マネージャーは部下をマネージするのが仕事ですから、部下をマネージすることに支障をきたす仕事は誰かに任せるべきですが、部下に「何を、どのように、誰に、どのタイミングで」仕事を任せるのか、ということに戸惑う人も多いよう。なんでデリゲートできないのか?という質問を自分に投げかけるところから初めてみると、デリゲートできやすくなります。

多くのマネージャーがデリゲートしない理由としてあげられるのが「自分がやった方が早いから」というのがあります。特に今までしてきた仕事などは、自分でした方が早い場合もあります。しかし、はじめ誰かに教えて時間がかかっても、長期的には自分の時間の大いなる節約になる場合がほとんどです。また、マネージャーとしては、部下育成目的として、今まで自分がしてきた仕事や知識を伝えていくということも必要なので、「自分がやったほうが早い」と思った場合には、ほとんどの場合、誰かに任せた方がよいでしょう。

他に部下にデリゲートできない理由としては、部下の能力が期待できない、というのもあります。部下それぞれの能力を理解して任せるのが仕事ですから、何ができて、何ができないのか、ということをしっかり話すことが大切です。部下ができる仕事を任せることで、その部下に対する信頼も生まれ、部下の中にも自信が生まれてきます。

2)上(上司)へのデリゲート

上司へのデリテートというと、上司に「これお願いします」と言うかのように聞こえますが、むしろ、自分の仕事内容が能力に見合わない(簡単すぎる、自分の得意分野ではない)や、仕事量が多すぎる場合などに、上司に相談するという意味です。

よくある例としては、自分はもっとできると思っているのに、上司からは単純作業がばかり頼まれている。上司から仕事を頼まれず日々やることのない。自分が得意でもないことばかり頼まれている、などです。自分が何をしたいのか、何ができるのか、ということをきちんと伝えましょう。この時文句を言うのではなく、自分のやりたいこと、できることを強調することが大切です。

3)左右(同僚、他部門、外部)へのデリゲート

多くの会社が外部へ仕事を委託していることからわかるように、特に自分でない誰かの方がうまく、早くできる場合には積極的にその人(部門、会社など)に委任するべきです。

家族経営や中小企業の経営者や従業員などは、特に左右へのデリゲートが使えます。人が少なく「あれもこれもやらないといけない」と思うのはわかりますが、最近では、バーチャルアシスタントやクラウドソーシングなどを利用して様々な仕事を簡単に、割安に外部に頼むことができます。そういったサービスを利用することもで自分の本来の仕事に集中できるようになります。

4)テクノロジーへのデリゲート

メールの振り分け、Eメールマーケティング、プロジェクトマネジメントなど、など、最近は多くの作業がテクノロジーを使うことで簡易化できます。簡単なドキュメント作成やパワーポイント、ウェブサイト作成なども、テンプレートを使うことで早く、より高品質なものを作成できたりします。他には、古いテクノロジーやソフトウエアを使っている場合には新しいものへ変えることで効率化できる場合もあります。ちなみに、私も最近ウェブサイトのホスト会社を、ウェブサイト関係の問題を早く解決してくれてよりセキュリティの高い会社に変更しました。

このように、上下左右のデリゲートができるようになれば、今の立場に関わらず、自分が得意だったり、優先順位の高い仕事に集中できるようになりますね。