数日前にYoutube が、採用のプロセスにおいて、アジア系男性と白人男性に対し差別があったとして訴えられたという記事を読みました。

アメリカでは特に、採用や入学に関しては人種、年齢、性別などによらずに採用すると定められていますので、人種、性別などに偏りがあると裁判になったりすることがよくあります。通常は女性やヒスパニック、アフリカンアメリカン系の人が白人男性に比べて出世に差があったり、給料に差があったり、採用されにくかったりという例が多いですが、今回のYoutubeでは通常とは逆で、こういう例もあるのだなと思いました。

私自身は人事に勤めた経験はありませんので本当の採用の裏側というものは知りませんが、採用を実際の会社の中でした経験、色々な人から聞いた話などから、採用の決定には色々な要素があるなあ、というのがつくづくよくわかりました。そういう話を聞くと「転職活動で採用されなかったらどうしよう」「落とされるのが怖い」と思うのは当然ですが、応募して採用されなかった場合でも必ずしも落ち込む必要はないのだな、と思えますよ。

ということで、採用の裏側で起こっている、実際に見た、聞いた例をあげてみます。

  • 決定に沢山の人が関わって(特に大きな会社では)、また採用のプロセスがたくさんありすぎることから決めるのに時間がかかって、その間に社内のニーズが変わって結局誰も採用しないで終わる。
  • 沢山の人が面接してある応募者に人気が集まっても、Hiring Manager が気に入った人が採用される。もしくは意見の強い人が押した人が採用される。
  • すでに採用する人が決まっているのに、法律上の関係で採用を公開している。(結局応募した人の履歴書などは見られてもいない)
  • すぐに採用したいので、一番気に入った応募者よりも、近所に住んでいたり、すぐに始められる人を採用する。
  • 予算が決まっていて、予算内で採用できそうな人を選ぶ(前職の給料や経験をもとに)
  • 小さい会社では採用したいのに、採用にかけられる時間がなかったり、どんな人を採用したらいいのかもはっきりしていない場合もあるようで、採用のJob Description も曖昧になってしまいがちなようで、実際の応募者の履歴書を見たり、面接してから「こんな経験のある人がいいかも」と、結局当初とは違うバックグランドの応募者を選ぶことになることも。
  • 会社のイメージアップのために多様性を考えて採用をする。(あえて白人男性でなく、女性、黒人、ヒスパニックの人を採用するなど)
  • 人種に対する偏見で、自分が嫌いな人種の人の採用を見送る。
  • 強いコネのある人を採用する。
  • 自分と同じ学校を卒業した人を採用する。

上記のような、組織文化、個人の好みなどの決定のほか、無意識のバイアス(偏見)が誰もにもあり、それが採用する時におこっているということです。幾つか例をあげてみます。

  • Dr. Isaac らが過去の研究を集めて調査した結果によると、男性が中心となっている仕事(例えば警察官、外科医など)に、ほぼ同じ経歴の女性と男性が応募してきた場合には、女性に対して負のバイアスがかかる(つまり、男性の方が採用されやすい)
  • ある人種グループや性別、年齢に対する無意識の思い込み。例えば、年齢が高い人はソーシャルメディアが得意でないだろうという思い込み、インド系の人は算数が得意だろうという思い込み、子供を面倒見る仕事は女性の方が良いという思い込み (Sun Young Leeらの研究
  • 競争の激しい文化の会社では、自分よりもできそうな人を無意識にさけて採用する

自分はそんな偏見はない!と思っていても、無意識の中で起こっているわけですから、採用の際には色々な工夫が必要で、採用する側も様々な手を使ってバイアスを避けるようにしているということです。オーケストラなどの採用では顔も履歴書も見ないで、音楽だけを聞いて誰を採用するか決めるなどということも行われているようです。

最後に、応募者側の立場として出来ることは、応募する会社の文化や採用担当者や人事の人をできるだけ理解して、応募の際に自分を最適にプレゼンできるようにすることです。また、先ほども書いたように、採用決定の裏には色々な要素が関わっているので、採用されなかったからといって落ち込まず、「もっと自分にあった所がある!いい経験になった」とできるだけ肯定的に、次の機会に目を向けることも大切です。