Charles Duhigg著のThe Power of Habit を読みました。「習慣の力」というタイトルで日本語版も発売されています。

この本の中では、

”Cue (キュー:きっかけ)→ Routine(ルーティン行動)→ Reward(ほうび)”

という構造の中で、Reward をCraving(熱望) している状態(キューの時点で既に脳がCraving状態になっていること)が習慣であると言っています。例えば、何となく手持ち無沙汰だと感じたとき(Cue)に、ついチョコレートを食べてしまう(Routine)。「おいしい!」という感じることがRewardです。その概念の元で、習慣を変える(本の中では、”Redesign”という表現を使っています。)ためには?ということを述べています。

アメリカのアマゾンでも最も読まれている本の一つに選ばれるほどの本ですが、はじめて手にとって流し読みをした時には、なんかもう知っていそうなことだな、と思って真剣に読んでいなかったのです。しかし、最近になって真剣に読んでみると、なるほど最も読まれている本に選ばれるだけのことはあるのかな、という興味深く感じました。

では、習慣を変えるためには、どうしたら良いのでしょうか?

”Cue と Reward は変えず、 Routineを変えればいい” のです。

例えば、何となく手持ち無沙汰だと感じたときに、(チョコレートの代わりに)フルーツを食べる などとすれば良いわけです。もちろん 言うは易く行うは難し です。本の中では習慣を変えるアドバイスを例をあげています。

私が興味深いと思った点は

1)多くの場合、習慣は長く深く習慣化しているために、何がキューになっているかさえわからなくなっているということ。これは確かだな、と思いました。何がキューになっているかを探るためには、習慣化している行動を起こしたときに、何がその行動を起こしたかをその都度書き出してみることです。それを見ていくと、習慣が何によって起こっているかがわかってきます。この キューがわかれば、習慣を変えることは半分できたといえる、ということです。

2)キューを見つけて、うまくルーティン行動も変えることができたとしても、悲劇的な出来事(仕事を失う、家族が病気になる、離婚など)が起こったりすると、古い習慣に戻ってしまうことが実際多く、これを乗り越えられた人に共通しているのが、「自分は変えられる!」という何かしらの信念のようなものがあるということ。科学的にも証明するのは難しいようですが、本で例を挙げているのは、集団や第三者の力です。習慣を変えるために、同じような問題を抱える人が集まるグループに参加したり、人に話したりすることで、自分の信念が強くなるということです。

本の中ではアルコール中毒者が中毒を乗り越えるためのサポートグループの例があげられていました。アルコール中毒は習慣を変えることで乗り越えられたという人が多くいますが、同時にたくさんの人が再び中毒になります。乗り越えるために、このグループに所属すると「あの人でもできるなら自分もできる」という気持ちや、キューを感じたときにサポートグループに参加したり、仲間と話したりすることで古い習慣を避けられやすくなるということです。

3)キーとなる習慣を見つけてそれを変えると、付随して他の習慣にも変化が起こること。例えば、エクササイズを習慣化すると、付随してヘルシーなものを食べるようになったり、時間を有効につかえるようになったり、交友関係が広がったり、などです。簡単にキーとなる習慣を見つけるのは難しいのは事実ですが、見つけて変化を起こすと、大きな変化につながります。

最後に、この本では、個人だけでなく、組織として習慣化していることを変えるためには? 社会として習慣化していることを変えるためには?ということも例をあげて述べているので、自分が所属する組織に問題点を感じている人は読んでみると面白い観点が得られるかもしれません。というのも、組織を変革したいときや、問題を感じるときに、習慣という観点からは見ていない場合ば多いと思うからです。

私もこの本を読んで、あまりにも普通になりすぎて気づかない習慣に対して、キューは何か?リワードは?ということが何か実験してみたいと思っています。