ある程度キャリアをつんで転職しようとした時にしばしば要求される、もしくはあると確実に売りになるスキルとして、人をマネジメントした経験、マネジメントスキルがあります。

まず、マネジメントスキルとは何か?ですが、The Balance “Understanding the Management Skills Pyramid” という記事にうまくまとめられています。皆さんもご存知のように、マネジメントスキルは幅広いものです。マネージャーとして求められるスキルにもいろいろ段階があり、一番基本的なものとしては、的確な指示、デリゲーション(仕事の割り振り)、仕事の計画、報告を受ける、などがあり、その上の段階として育成、モチベーションを上げるなどが含まれます。さらには、自分をコントロールするスキルなども求められてきます。

セールスや製造など若い人が比較的沢山入ってくる部門に所属していた人は、割と若い年齢で部下を持った経験のある人が多いようですが、それ以外の部署では中堅になって役職は上がっても部下なし、という人も多いようです。私が以前勤めていた外資系会社の会社でも、過去10年くらいは人員削減の影響を受け、新入社員は数えるほどしか入らず、部下なし課長や部下なし部長のような人も多くなってきているということです。

そうこで、今回は、部下がいない人のマネジメントスキルの構築するためにできることを提案してみます。

1)派遣社員、契約社員などに指示を与える:

最近は派遣社員や、契約社員などが多いので、そういった人に明確に指示を与えたり、進捗を確認したりするなどすることは基本的なマネジメントスキル構築に役立ちます。さらに、人によってどの程度関わったらいいのか(Xさんはある程度マイクロマネジメントしないとダメだ、逆にYさんはマイクロマネジメントされるのと成果がでない、など)ということを経験できます。派遣社員や契約社員がいなくても、ベンダーや顧客などをマネジメントすることで、似たような経験も得られるかもしれません。

2)中途採用の人の教育をする:

私は中途採用されて入社した途端放って置かれてどうしたらいいんだろう?!という経験をしたことがあります。その経験から、部門の中途採用の人の教育プランをつくり教育に関わる経験をしました。中途採用者をいかに早く即戦力にするか、ということも大切なスキルの一つだと思います。

3)新入社員のメンターになる:

メンターになると、マネジメントスキルの中でも部下育成(モチベーションを上げる、部下の話を聞くなど)の経験をつけることができます。これは社内はもちろん、社外で自分の大学の後輩に対してやってみるなども可能です。

4)プロジェクトを管理する:

部下ー上司という関係は絶対的で、上司は部下を(自分の思ったように)動かしやすいです。しかし、プロジェクトマネージャーとチームメンバーという関係は、メンバーの上司や部門の要求、プロジェクト間の優先順位や、お金の出所の問題(部門からでるか、プロジェクト費用かなど)などが複雑にからまってくるため、部下をマネジメントするのに必要かつそれ以上の経験になると感じました。

5)部下をもたせてくるよう頼む:

部下をもたせてもらうというのは、特に大きな組織では簡単にいかないかもしれません。その場合にも、組織図を変更しないような、非公式的に自分より経験の浅い人ををスーパーバイスさせてもらうことは可能です。評価面談や、大きな問題以外の日々のことは直接あなたに報告したりしてもらうことができます。

6)会社内での募金活動などを企画、運営する:

私が勤めていた会社では白血病に関する製品をつくっていたことから、社内で白血病患者をサポートする団体に対して寄付をしようという取り組みが社内でありました。そのような活動をリードしてみるのもマネジメント経験を得る良い機会になります。

7)社外でマネジメントスキルを身につける:

誰かを管理するというのは、社内だけでなく、社外でも可能です。地域活動、子供の学校、ボランティアなどで人を管理する機会をつくれます。ちなみに、この概念はビジネススクールでも明らかで、ビジネススクールでは勉強以外にたくさんのクラブ活動があり、みんなが幾つもの活動に所属するだけでなく、カンファレンスやイベントを自分たちで企画、運営していきます。

そのほかに、私は自分の卒業した大学の学生たちのリクルーティングに関わったことがあります。会社に興味のありそうな学生に直接コンタクトして話をしたり、相談にのったり、面接のアドバイスをしたりしました。採用する際に誰が本当に興味がありそうかなどの経験になりましたし、違う世代を知る機会にもなりました。

最後に、管理職としての経験がない人が面接でマネジメントスキルを問われた時に、自分に直接部下はいなかったけれど、こんなリーダーシップスキルを持っているというように、自分のもつリーダーシップ経験やスキルを強調して、部下はいなくても物事を動かす能力、影響を与える能力はある、ということをアピールすることもできます。

マネジメントスキルをつけたいと思っている人は早速今日から何かに取り組んでみてはいかがでしょうか?