Dr. Susan David著のEmotionl Agilityを読みました。Emotional Agility はニューヨークタイムスワシントンポストハーバードビジネスレビューでも取り上げられましたが、注目をあつめた一つの理由は、つねにポジティブに!というようなPositive Psychology に 疑問を唱えるものだからでもあるようです。Dr. David は、人生は必ずしもうまくいく事ばかりでないのだから「ポジティブに考えていると物事はうまくいく!」というような考えだけだと、思ったような結果が得られなかったり、思ったように物事がいかなかった時に がっかりすることになり、うまく対処できなくなってしまう、といいます。ポジティブ、ネガティブな感情は全てい目的があり、否定することは良くないことなのです。

Agilityとは、日本語でいうと 機敏さ、素早さ、敏しょう性という意味です。Emotionl Agilityとは、感情や考えに向き合い、それらに左右されることなく、自分の価値に従った行動を選ぶことができるというプロセスのことです。極端な例をあげると、ダイエット中に何か甘いものが食べたい、という感情が湧いてきたとします。この感情に流されるまま甘いものに手をつけてしまったり、甘いものは悪いとわかっているのにどうしてそんな感情がわいてくるんだ…などと自分を責めたりするのは Emotional Agile とはいえません。甘いものが欲しいという感情を受け止めたうえで、甘いものが欲しいという感情を破るれるような行動(友達と話す、果物を食べる、運動する、など)を取るということがEmotional Agile といえるということです。

Dr. DavidのいうHooked という表現が興味深く感じました。心の中で自滅的な考えに浸ったり、意味のない会話が起こったりする経験は誰でもあると思いますが、Hookedとは自滅的な行動を引き起こす感情や思考に囚われることをいいます。

例えば「こんなことをいうとバカだと思われるから言わなかった」。ここでは自分の考え(思い込み)を自分が行動しなかった理由にしています。他の例では「今夜夫に、あなたが私の両親を批判した時にどんなに傷ついたか言おう。そうしたら、夫はもっと私の両親の悪口をいってくるかもしれない。そうしたら夫のお兄さんがどんなに私に冷たいかいってやる」というように、勝手に想像の会話を作り上げたりしてしまうことなどです。その他にも、自分の過去の経験から自分はオタクだと思い込んでいて現在の行動に写せないなども、Hookedになっているといえます。

Dr. Davidは以下の4段階をへることで、Hooked の状態に陥った時に、Emotional Agilityを得ることができるといいます。

Showing Up:
自分の感情や考えを受け止めて、考えや感情を事実としてとらえないこと。例えば、「自分はブスだからもてない」と思った場合には、自分はブスだと何度も何度も思ったことで、それを真実だと思い込んでいるということです。

自分の感情や考えを正面からうけとめるために幾つかの方法が紹介されていますが、まずは自分に優しくなることが大切。自分はバカだ、という考えがよぎったとします。これが友達が言った言葉だとしたら?友達にいうように自分に対しても返事をすればよいのです。他には、感情をきちんと言葉として表すこと(例えば、悲しいと感じたけど、実は悔しい、のかもしれない)、湧いてきた感情の目的を考えてみること(仕事での出張に罪悪感を感じたら?その裏にあるのは、家族との時間を大切にしたいと思っているという自分がいることに気づく)など。

Stepping Out:
自分の感情、考え、自分の中で起こっている会話から自分を引き離して、第三者的にみること。そうできるようになるために紹介されているのは、マインドフルネスを取り入れること、自分を第三者のように扱って会話してみること、考えや感情が沸き起こった時には「私は今XXXという感情がある」「私は今、XXXという考えが沸き起こった」というように実際に言ってる、などが挙げられています。

Walking Your Why:
自分の中の価値観、自分とは一体なんなのか?ということを明らかになっていると、そのバリューに従った行動ができるようになることです。色々なことに対して”Have-to” ではなく、”Want-to”の姿勢で臨むことが大切なので、自分の人生で何がしたいか?どんな人だと思われたいか?など自分のWant-toを掘り下げていくと価値観が見えてくるということです。

Moving On:
自分の価値にあった行動をとるようにするためには、時に勇気や大胆な行動をとることも必要になります。内部告発 などといった大胆な行動をすることも含まれますが、通常は小さなマインドセットや習慣などを変えることができます。例えば、結婚生活を充実させたものにしたいと思っているなら、パートナーが家に帰ってきた時にただ単にお帰り、というだけでなく、ハグしたり、玄関まで迎えに言って笑顔で迎えるなどと、多少自分の行動を変えることで、自分の価値観により近づけるという考えです。他にも習慣を変える方法などの例が乗せられています。

この本を読むことで、自分がHooked になった瞬間に「あ、今Hooked になっている」と気づくことができ、感情と切り離し自分をみれるようになれる一歩に近づくと感じました。